【2022年夏・コンテンツ編】上位人気アダルトVR作品の傾向について

はじめに

前回、最近のアダルトVR作品の人気傾向について、女優・メーカー・監督などの観点からレポートしました。今回はジャンルやタイトルの傾向について記載します。よりコンテンツに近づいたものとなります。

対象作品は2022年夏に開催された「大人のサマーキャンペーン2022」（期間：2022年7月29日〜9月2日）の全VR作品1,000本を対象、その中でも第10弾までのそれぞれのトップ20を定め、計200本との比較をしながらまとめています。

なお前提条件など詳細については前回記事を参照してください。

人気の高いジャンルの傾向

作品内容における人気傾向を見るために、FANZAのジャンルに着目しました。このジャンル名は作品の内容を精緻に表現しているかは少し微妙な面がありますが、大まかな傾向を見るには重要な情報と言えますので、参考になるはずです。

まず全VR作品1,000本を対象として、ジャンル名の出現数が５回以上のものを抽出します。さらに上位作品の出現数との比率を求めました。

上位20％の作品ですから、単純に考えれば「比率20％近辺」というのは平均的な水準と言えます。なので、これよりも高い比率のものが人気も高いというふうに考えられます。そこで平均水準よりも5%高い、25％以上となるジャンル名を次に示します。なお25％未満のものも後ほど紹介します。

補足ですが、ジャンル名のうち、内容とは関連性の低い「ハイクオリティVR」「独占配信」や収録時間系のものは除外しています。

FANZAのジャンル名は意味合い的にいろんなものが混在していますので、少し整理して４種類ほどに分類してみます。特に35%以上は赤色で示しています。

まず「女優属性系」は女優の体型や乳房の大きさなどを示すもの。女優が決まれば、作品の傾向に関わらずこのワードは概ね決まります。上記では「美乳」が該当し、後ほど「巨乳」「美少女」が出てきます。

「テクニック系」は前戯やセックスのワードが該当します。上記では「キス・接吻」の人気が高い傾向です。

「職業・学生系」はそのものズバリで、ここでは「看護婦・ナース」が好まれている様子。

「シチュエーション系」は主人公を取り巻く状況とか場所を含めたものを想定しています。ここでは「ハーレム」「3P・4P」「姉・妹」「カップル」「童貞」「温泉」「ビッチ」といったワードが多く選ばれているようです。特に「ハーレム」（53%）は飛び抜けて比率が高いことから、たくさんの女優を相手にできる状況はやはり好まれる傾向にあると言って良いでしょう。

参考までに第10弾までの第１位となった作品の一部（前回記事参照）のジャンル名を見てみます。

河北彩花や山手梨愛の作品では「キス・接吻」が、第5弾や第10弾作品では「ハーレム」「3P・4P」が含まれています。１位に選ばれるほどの作品の中に存在するワードですから、最近の人気の高さが示されている明かしと言えるでしょう。

出現比率の低いジャンルの傾向

今度は全作品との比率が15％未満のジャンル名を示します。平均水準よりも5%以上も低いものという意味です。

「お姉さん」「人妻・主婦」というワードは全作品での出現数が比較的多いことから、設定されているにも関わらず、上位作品では少ないということを示しています。すなわち「マニア度が高い」傾向にあると推測されます。

「人妻・主婦」を設定している上位作品の事例としては、木下凛々子の『【VR】「こういうのしてみたかったのぉ」 優しくて…』や、北条麻妃・友田真希の『【VR】奇跡の初VR共演！！ 町内会の奥様たちと逆…』がありまして、確かにマニア向けかなと思われる状況です。

ですが「お姉さん」の事例を見ますと少し異なるようです。

例えば、伊藤舞雪の『【VR】初めて彼女が出来たのに初体験で勃起せず撃沈…』や、相沢みなみの『【VR】「チューしてアゲル」 トロけるディープキス…』といった作品があげられます。前者は同様の意味を持つ「姉・妹」では無く、あえて「お姉さん」を使用してみたり、後者は適切なワードが見つからないため「お姉さん」を使用している感覚があります。ですので単純にマニア向けというワードとは言えない状況です。

ちなみに今回は出現回数が５回以上のものを抽出していますが、４回以下の事例としては「熟女」（出現率11%）「巨尻」（同左）といったものがあり、これらは本当にマニア向けかなと思われます。

平均的なジャンルの傾向

参考までに平均的なジャンル名も見てみましょう。比率が15%以上・25％未満のものを対象としています。

これを先の４つの分類に従って並べてみます。

「女優属性系」では「巨乳」「美少女」などがあって女優とリンクしています。具体的には乙アリス・羽咲みはる・小花のんなどは必ずジャンル名にも「巨乳」が存在します。同様に「美少女」も河北彩花は必ず存在しますし、横宮七海もほぼ存在します。

ですので、これらは女優を選んだ時点で付属するものであって、特徴的な意味合いは少なく、普通の平均的な情報と考えられます。

次に「テクニック系」ですが、今や「中出し」「フェラ」「パイズリ」「手コキ」は一般的なものとなってきました。これらも平均的な情報と言えるでしょう。

ですが、「職業・学生系」「シチュエーション系」に並ぶ、「女子校生」「キャバ嬢・風俗嬢」「OL」や「痴女」「制服」などが平均的水準であるということは、VR作品全体に浸透してきたものと言って良いのかもしれません。現時点では特徴的なワードとは言えなくなってきたということなのでしょう。

人気タイトルの傾向（「〜特化」を含む作品について）

今度は視点を変えて、タイトルの傾向について着目してみます。

特に最近は「〜特化」が含まれたタイトル作品が多いように感じますので、それを調査してみました。

すると上位作品での出現比率が平均以上の46%と高い数値になっていました。かなり人気が高い傾向にあると言って良いでしょう。

この「〜特化」は「ケイ・エム・プロデュース」の宮迫メンバー監督が「天井特化アングル」で最初に採用したものですが、現在は他のメーカーでもたくさん使用されています。

その中でも、今回上位にランキングした、伊藤舞雪の『【VR】元祖 天井特化アングル KMP 宮迫メンバー監督 ×VRクイーン kawaii＊専属 伊藤舞雪 エロVR史に名を刻む革命的コラボ作品第一弾…』作品が象徴的です。宮迫メンバー監督がメーカーを飛び超えて「kawaii」の監督をし、天井特化アングル作品をリリースしたことはこの傾向が色濃く出ているように見えます。

ちなみにこの中には「エスワン」の『【VR】天音まひな×天井特化×おっパブ マシュマロ…』などの作品も含まれているなど、「天井特化」のワードを含む作品が16もあります。

「天井特化」の他に特徴的なワードは「顔面特化」です。これは４作品が存在して、ピンサロ大好きスズタケさん監督による、横宮七海・東條なつ・七瀬アリスが上位作品に含まれています。「エスワン」でも香水じゅんの「顔面特化」をタイトルに含む作品がランキングしました。

他には浜崎真緒の「ハーレム特化」や美谷朱里の「キス特化」といったワードが上位ランクのタイトルに使用され、「〜特化」を含む傾向はしばらく続くかもしれません。

人気タイトルの傾向（「同棲」を含む作品について）

もうひとつ最近タイトルで多く目にするワードが「同棲」です。

実はFANZAジャンルには「同棲」が存在しませんので、タイトルの中に「同棲」を含む作品について調査してみました。

すると上位作品での出現比率が平均以上の36%との結果が出ましたので、やはり人気の傾向が高いようです。

例えば第10弾までの第１位作品（前回記事参照）でも河北彩花の『【VR】河北彩花とVRで同棲しようよ！』や、山手梨愛『【VR】山手梨愛とず～っと密着…Icupグラドルボディを完全独占！最高の距離で見せる究極同棲VR』にも含まれています。

実は上位の中に「エスワン」作品が６つも含まれていました。小倉七海の『【VR】小倉七海とず～っと密着… キュートな目も鼻も唇も完全独占！ 最高の距離で魅せるイチャラブ究極同棲VR』、愛宝すずの『【VR】愛宝すずとず～っと密着…キラキラ笑顔も純白Gカップも完全独占！最高の距離で見せる究極同棲VR』などです。

「エスワン」以外では宮西ひかるの『【VR】僕の彼女は専属AV女優 最高の距離感と明る…』や、美谷朱里の『【VR】僕のカノジョはAV女優あかりん。 美谷朱里…』などがあります。

イチャラブ系とも言える「同棲」作品はしばらく高い人気を得ていくのではないでしょうか。

まとめ

2022年夏に開催された「大人のサマーキャンペーン2022」対象作品の上位20％を元にした人気アダルトVR作品のコンテンツに関する傾向は次の通りです。

・ジャンルについては「キス・接吻」「看護婦・ナース」「ハーレム」「3P・4P」「姉・妹」「カップル」「童貞」「温泉」「ビッチ」のワードが人気の高い傾向にある。特に「ハーレム」は飛び抜けて比率が高いことから、たくさんの女優を相手にできる状況はやはり好まれる傾向にある

・タイトルの中に「〜特化」を含む作品の人気が高く、特に「天井特化」や「顔面特化」といったワードを含む作品が好まれている。さらに「同棲」のワードを含む作品も人気が高い

以上